今年も厳しい暑さが続き、エアコンを手放せない毎日が続いています。
「節電」というと冬のイメージを持つ方も多いかもしれませんが、実は2026年の夏は、電気の”使い方”だけでなく”供給そのもの”にも注目が集まっています。
この記事では、2026年の夏の電力事情を踏まえながら、家計にも地球にもやさしい「エコな省エネ習慣」を、今日からできる工夫としてご紹介します。
2026年の夏、電力は大丈夫?
まずは、今年の夏がなぜ「エコな省エネ」に注目すべき年なのか、その背景から見ていきましょう。
記録的な猛暑が予想されている
気象庁の3か月予報(2026年6月23日発表)などによると、2026年は梅雨明けが早く、猛暑の到来も早まる傾向にあるとされています。冷房需要のピークが例年より早く訪れる可能性があり、夏本番はもちろん、9月に入っても真夏並みの暑さが続くケースが増えています。(出典:気象庁)
電力の”供給力”がひっ迫している
経済産業省は2025年10月時点の速報値として、東京エリアの2026年8月の予備率(安定供給に必要な余力の割合)が0.9%程度まで落ち込む厳しい見通しを示していました。その後、追加の供給力確保策などを経て、2026年5月には全エリアで安定供給に必要な予備率3%を確保できる見通しとなっています。ただし経産省自身も「発電所の休廃止の進展や自然災害など、供給サイドは脆弱な構造にあり、電力需給は予断を許さない」としており、油断はできない状況です。(出典:経済産業省)
節電要請はないけれど、油断はできない
こうした状況を踏まえ、政府は2026年5月20日、家庭・企業向けの夏の節電要請を見送る方針を正式に発表しました。見送りは3年連続となります。「要請がない=安心」と思われがちですが、天候や発電設備の稼働状況次第で状況は変わり得ます。要請の有無にかかわらず、一人ひとりが無理のない範囲で電気を上手に使うことが、結果的に安定した夏の暮らしにつながります。(出典:経済産業省)

今年の節電は夏場から
「節電」と聞くと夏をイメージする方が多いかもしれませんが、総務省の家計調査(出典:総務省統計局「家計調査」)を見ると、1〜3月(冬)の電気代の平均は、7〜9月(夏)の平均よりも高い傾向にあります。外気温と室温の差が大きい冬は、実は年間でもっとも電気代がかさみやすい季節なのです。
とはいえ、これはあくまで平均的な傾向の話です。2026年のように猛暑と電力需給のひっ迫が重なる年は、例年以上に冷房を使う時間が長くなり、電気代も上がりやすくなります。「本来なら夏は落ち着いているはずなのに、今年は違うかもしれない」——そんな年だからこそ、我慢しすぎない範囲でのエコな省エネが役立ちます。
夏の省エネ〜押さえておきたい5つのポイント
①冷房と風を組み合わせる
冷房だけに頼らず、扇風機やサーキュレーターを併用することで、設定温度を上げても涼しさを感じやすくなります。冷たい空気は下にたまりやすいため、サーキュレーターで空気を循環させると、部屋全体を効率よく涼しくできます。
②日射熱を室内に入れない
窓から入る日射熱は、室温上昇の大きな原因の一つです。遮光カーテンやすだれ、グリーンカーテンなどで日差しを遮ることで、冷房の効率がぐっと上がります。窓の外側で日差しを遮るほうが、室内でカーテンを閉めるよりも効果的です。
③体を冷やすグッズを活用する
冷感タオルや保冷剤、接触冷感の寝具などをうまく取り入れることで、室温を極端に下げなくても快適に過ごせます。首元や脇の下など、太い血管が通る部分を冷やすと効率よく体温を下げられます。
④生活時間を少しずらす
電力需要は日中、特に午後の時間帯に集中しやすい傾向があります。家事や外出などを可能な範囲で朝や夕方に前倒しすることで、無理なく電力のピークをずらすことにつながります。
⑤省エネ家電への買い替えも選択肢の1つ
古いエアコンや冷蔵庫は、最新モデルに比べて消費電力が大きい場合があります。買い替えのタイミングであれば、省エネ性能の高い家電を選ぶことも長い目で見た省エネ・節約につながります。

夏の省エネに関する注意点
電気代や電力事情が気になる季節ではありますが、注意しておきたいポイントも2つご紹介します。
我慢しすぎないこと
節電のために冷房を我慢することは、熱中症のリスクを高めてしまいます。室温・湿度をこまめにチェックしながら、無理のない範囲で省エネを心がけましょう。体調管理を最優先に、できる範囲から取り入れることが大切です。
高齢者・子どもは特に注意
高齢者や小さなお子様は、暑さやのどの渇きを感じにくい傾向があります。「まだ大丈夫」と思っていても、実は室温が高くなっていることがあるため、こまめな声かけや室温計の活用がおすすめです。
【エアコン】の省エネポイント
1.冷房の設定温度の目安は28度。体感温度が高いと感じる場合は、風量や風向きの調整で対応しましょう。
2.フィルターは月に1〜2回を目安に掃除すると、冷房効率が保たれ、無駄な電力消費を防げます。
3.室外機の周りに物を置かず、風通しを良くしておきましょう。直射日光が当たる場合は、日よけを設置するのも効果的です。
4.外出の少し前に冷房を止めても、部屋の涼しさはすぐには失われません。運転時間を見直すのも一つの方法です。
5.タイマー機能を活用し、つけっぱなし・消し忘れを防ぎましょう。
【冷蔵庫】の省エネポイント
1.扉の開け閉めは短時間で。開けている時間が長いほど、庫内温度を下げるための電力を多く消費します。
2.詰め込みすぎると冷気の循環が悪くなるため、適度な余裕を持たせましょう。
3.温かい食品は冷ましてから入れることで、庫内温度の上昇を防げます。

【照明・家電】の省エネポイント
1.白熱電球や蛍光灯を使っている場合は、LED照明への切り替えを検討しましょう。
2.使っていない部屋の照明はこまめに消す習慣をつけましょう。
3.テレビやパソコンなど、使っていない家電の主電源はオフにし、待機電力を減らしましょう。
【お風呂・シャワー】の省エネポイント
1.シャワーは出しっぱなしにせず、こまめに止めましょう。節水型シャワーヘッドの活用もおすすめです。
2.家族での入浴間隔を空けすぎないことで、追い焚きにかかる電力を抑えられます。
3.浴槽の蓋をこまめに閉めて、お湯の温度をキープしましょう。
地球にも家計にもやさしい夏を過ごしましょう
2026年の夏は、猛暑と電力需給のひっ迫が重なる、これまでとは少し違う夏になりそうです。だからこそ、無理な我慢ではなく、日々の暮らしの中でできる小さな工夫を積み重ねることが大切です。
体調管理を第一にしながら、地球にも家計にもやさしいエコな省エネ習慣を、この夏からぜひ取り入れてみてください。
出典一覧
気象庁「3か月予報(2026年6月23日発表)の解説」https://www.data.jma.go.jp/cpd/longfcst/kaisetsu/?region=010000&term=P3M
経済産業省「2026年度夏季の電力需給対策を取りまとめました」(2026年5月20日)https://www.meti.go.jp/press/2026/05/20260520001/20260520001.html
総務省統計局「家計調査」(e-Stat 政府統計の総合窓口)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=2&tclass1=000000330001&tclass2=000000330004&tclass3=000000330005&cycle_facet=tclass1&tclass4val=0